UPSとは

UPSは、停電や電圧変動といった電力障害が発生した場合に、接続された機器に対して一時的に電力を供給し、安全にシャットダウンするための時間や電力を確保する電源装置であり、コンピュータシステムやネットワーク機器などの重要な電子機器を保護するために不可欠な装置のことです。

UPSの概要と電力保護の役割

UPS(Uninterruptible Power Supply、無停電電源装置)は、予期せぬ電力問題から電子機器を保護するための装置です。電力問題には、完全な停電(Blackout)だけでなく、瞬間的な電圧低下(Sag)、過大な電圧(Surge)、および電源ノイズなど、機器の誤動作やデータの破損を引き起こす可能性のある様々な異常が含まれます。

UPSの最も重要な機能は、電力供給が途絶えた瞬間にバッテリーからの電力供給に切り替えることで、接続機器の動作を中断させないことです。これにより、システム管理者は、作業中のデータを保存し、オペレーティングシステムを正常な手順で終了させるための十分な時間を確保できます。

主な目的は、電力障害によるデータの損失、ハードウェアの損傷、およびサービスの停止を防ぎ、システムの可用性を高めることです。

UPSの主要な動作方式

UPS装置は、その動作原理によって主に以下の3つの方式に分類されます。

1. 常時商用給電方式(Standby or Offline)

  • 動作原理: 通常時は商用電源(コンセントからの電力)をそのまま接続機器に供給し、バッテリーは待機状態にあります。停電が発生したときのみ、内蔵のインバータを通じてバッテリーから電力供給に切り替わります。
  • 特徴: 構造がシンプルでコストが安く、小型軽量ですが、切り替えに数ミリ秒の時間がかかるため、非常に精密な機器には不向きな場合があります。電源ノイズや電圧変動に対する保護能力は比較的低いです。

2. ラインインタラクティブ方式(Line-Interactive)

  • 動作原理: 常時商用給電方式に加えて、自動電圧調整機能(AVR: Automatic Voltage Regulator)を備えています。通常時は商用電源を使用しますが、電圧が変動した際に自動で調整を行い、安定した電力を供給します。
  • 特徴: 停電時の切り替え時間は常時商用給電方式と同程度ですが、電圧変動に対する保護能力が高く、コストと性能のバランスが取れているため、一般的なサーバーやネットワーク機器の保護に広く利用されています。

3. 常時インバータ給電方式(Online or Double-Conversion)

  • 動作原理: 接続機器は常にUPSのインバータを経由したバッテリーからの電力で駆動されます。商用電源は、常に充電器(整流器)を通じてバッテリーを充電する役割のみを果たします。
  • 特徴: 停電が発生しても切り替え時間がゼロであり、また、常にインバータを通してクリーンな正弦波電力が供給されるため、電圧変動やノイズなどの電力品質の問題に対して最も高い保護能力を持ちます。ミッションクリティカルなサーバーやデータセンター機器など、高い信頼性が求められる環境で採用されます。

UPSの重要な選定指標

UPSを選定する際には、以下の指標が重要となります。

  1. 電力容量(VA/W): 接続する機器の総消費電力に見合った容量が必要です。ワット(W)は実際に供給できる有効電力を示し、VA(ボルトアンペア)は皮相電力を示します。
  2. バックアップ時間: 停電発生時にシステムを安全にシャットダウンするために必要な時間(通常は数分から数十分)を確保できるバッテリー容量があるか。
  3. 波形: 出力される電力の波形が、接続機器の要求する波形(通常は正弦波)を満たしているか。特に常時商用給電方式では、矩形波や疑似正弦波の場合があり、機器によっては正しく動作しない可能性があります。

関連用語

オンプレミス(on-premises) | 今更聞けないIT用語集
ウォーターフォール | 今更聞けないIT用語集
ITアドバイザリー/情報技術支援

お問い合わせ

システム開発・アプリ開発に関するご相談がございましたら、APPSWINGBYまでお気軽にご連絡ください。

APPSWINGBYの

ソリューション

APPSWINGBYのセキュリティサービスについて、詳しくは以下のメニューからお進みください。

システム開発

クラウドネイティブ技術とアジャイル手法を駆使し、市場投入スピード(Time-to-Market)を最大化。「進化し続けるアプリケーション」を開発します。初期リリースを最速化し、拡張性と柔軟性を備えた、ビジネスの成長に追従できるアプリケーションを開発します。

DX・AI戦略支援

「何から手を付けるべきか分からない」「AIを導入したいが、費用対効果が見えない」といった経営課題に対し、技術とビジネスの両面から解を導き出します。 絵に描いた餅で終わる戦略ではなく、エンジニアリングの実装能力に基づいた、「実現可能で、勝てる技術戦略」を策定します。


リファクタリング・リアーキテクチャ

「システムが古くて改修できない」「障害が頻発する」といった技術的負債を解消します。既存資産の徹底的な診断に基づき、コードのクリーン化(リファクタリング)や、クラウドへの移行(リアーキテクチャ)を行い、システムの寿命を延ばしコストを最適化します。