凝集型クラスタリング

凝集型クラスタリング(Agglomerative Clustering)は、データ点間の類似性に基づき、階層的なクラスタ構造を構築するクラスタリング手法です。

個々のデータ点を初期クラスタとし、類似性の高いクラスタを逐次的に統合していくことで、最終的に全データ点を単一のクラスタに集約します。

アルゴリズムの概要

凝集型クラスタリングの基本的なアルゴリズムは以下の通りです。

  1. 初期化: 各データ点を独立したクラスタとして初期化します。
  2. 類似度計算: 全てのクラスタペア間の類似度(または距離)を計算します。
  3. クラスタ統合: 最も類似度の高い(または距離の近い)2つのクラスタを統合します。
  4. 終了判定: 全てのデータ点が単一のクラスタに統合されるか、指定されたクラスタ数に達するまで、ステップ2と3を繰り返します。

類似度(距離)の定義

クラスタ間の類似度(または距離)の定義は、クラスタリング結果に大きく影響します。代表的な定義としては、以下のものがあります。

  • 最短距離法(Single Linkage): 2つのクラスタ間で最も近いデータ点間の距離をクラスタ間距離とします。
  • 最長距離法(Complete Linkage): 2つのクラスタ間で最も遠いデータ点間の距離をクラスタ間距離とします。
  • 群平均法(Average Linkage): 2つのクラスタに属する全てのデータ点ペア間の平均距離をクラスタ間距離とします。
  • ウォード法(Ward’s Method): クラスタ統合によるクラスタ内分散の増加量を最小化するようにクラスタを選択します。

凝集型クラスタリングの利点

  • 階層構造の可視化: デンドログラム(樹形図)を用いて、クラスタ間の関係性を階層的に可視化できます。
  • クラスタ数の柔軟性: クラスタ数を事前に指定する必要がなく、デンドログラムから適切なクラスタ数を後から選択できます。
  • 多様な類似度定義: 様々な類似度(距離)定義に対応しており、データ特性に応じたクラスタリングが可能です。

凝集型クラスタリングの注意点

  • 計算コスト: データ数が増加すると、計算コストが大幅に増加します。
  • 外れ値の影響: 外れ値の影響を受けやすく、クラスタリング結果が歪む可能性があります。
  • 大規模データへの不適性: 大規模データに対しては、計算時間とメモリ消費量が現実的でない場合があります。

凝集型クラスタリングの応用例

  • 生物学: 遺伝子発現データのクラスタリングによる生物種の分類や系統樹の作成。
  • 社会学: 顧客セグメンテーションによる顧客層の分析やソーシャルネットワーク分析。
  • 情報検索: 文書クラスタリングによる文書のトピック分類や検索結果のグルーピング。

凝集型クラスタリングは、データ統合による階層構造の構築に優れたクラスタリング手法です。データの特性や目的に合わせて適切な類似度(距離)定義を選択することで、データ間の潜在的な関係性を明らかにできます。

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